外壁リフォームの種類と特徴まとめ|見積もりの取り方や補助金活用も解説

外壁リフォームをしたいけれど、どの方法が良いのかわからないと悩んでいる方は多くいます。外壁リフォームは、使用する材料や補助金の種類が多く、選択が複雑です。この記事では、外壁リフォームの種類や使用する外壁材、信頼できる業者の選び方を詳しく解説します。
この記事を読めば、自分に合った外壁リフォームの方法がわかります。外壁リフォームで使用する材料は、それぞれにメリットやデメリットがあり、適した選択が大切です。外壁リフォームの基本的な知識を得て、満足できるリフォームを実現しましょう。
» 中古住宅をリフォームするメリットと費用の相場を解説

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外壁リフォームの種類

外壁リフォームには主に以下の3つの方法があります。
- 外壁塗装リフォーム
- 外壁カバー工法(重ね張り)
- 外壁張り替えリフォーム
リフォーム方法は、住宅の状態や予算、求める仕上がりによって適切なものを選ぶことが大切です。それぞれの方法のメリットとデメリットを理解し、自分の家に最適なリフォーム方法を選びましょう。
外壁塗装リフォーム
外壁塗装リフォームは、建物の外観を美しくするだけでなく、劣化や色あせを防ぎ、建物の寿命を延ばせます。外壁は常に風雨にさらされるため、徐々に劣化しますが、定期的に塗装を行うと傷みを最小限に抑えられます。
塗装によって防水効果が高くなるため、雨漏り防止に効果的です。作業期間は通常1〜2週間程度かかります。費用は塗料の種類や建物の大きさ、施工内容などによって異なります。
外壁塗装リフォームは建物の耐久性や防水性を高める重要なメンテナンスです。
外壁カバー工法(重ね張り)

外壁カバー工法(重ね張り)は、既存の外壁の上に新しい外壁材を張り付ける工法で、以下のメリットがあります。
- 工期が短い
- 廃材処理が不要
- 強度と断熱性が向上
- 壁の内側の湿気対策に有効
- 張り替えよりも低コスト
- 防音性が上がる
既存の外壁を剥がす手間が省けるので、廃材を出さずに済み、工期を短くできます。新しい外壁材を重ねると、建物の保温効果が高まるため、冷暖房費用の節約にもつながります。外壁塗装よりは高価ですが、全面的に張り替えるよりも、安価で済ませられる点が特徴です。

窯業サイディングなど、重い外壁材は重ね張りに向きません。重ね張りは外壁材の相性が大切です。
外壁張り替えリフォーム
外壁張り替えリフォームは、劣化が激しい場合や既存の外壁材が古くなった場合におすすめです。外壁張り替えリフォームは既存の外壁をすべて撤去し、新しい外壁材に取り替えるため、建物全体の耐久性が向上します。
長期的な視点で見れば、外壁張り替えリフォームは建物の価値を高め、メンテナンスコストを抑えられるのでおすすめです。外壁張り替えリフォームは工期が長くなり、初期費用は高額になるので注意しましょう。

我が家は張り替えをしました。家の内部の老朽具合などを確認できた点はよかったです。約30年後の張り替え時期には、重ね張りを検討しています。
リフォームに使われる外壁材の種類

リフォームに使われる外壁材は、以下の種類があります。
- 窯業系サイディング
- 金属系サイディング
- モルタル
- タイル
- ALC(軽量気泡コンクリート)
外壁材には独自の特性とメリットがあります。リフォームを検討する際は、それぞれの特性を理解して、最適な外壁材を選びましょう。
窯業系サイディング

窯業系(ようぎょうけい)サイディングは、セメントと繊維素材を主原料とし、耐久性に優れた人気の外壁材です。防火性能が高く、安全性が高い特徴があります。デザインのバリエーションが豊富で、木目調や石目調など好みに合わせて選べます。カビやコケが生えにくく、メンテナンスが簡単です。
■デザインが豊富
■断熱性が高い
■防水性を保つため、塗装のメンテナンスが重要
■シーリング材のメンテナンスが必要
耐用年数は約30年と長く、紫外線や風雨にも強いですが、定期的な再塗装が必要です。再塗装の目安はグレードによりますが、15~25年です。
金属系サイディング

金属系サイディングは、アルミニウムやガルバリウムなどの金属に断熱材を裏打ちした外壁材です。窯業系サイディングと比べて重量は約1/4と軽量なので、地震の際でも割れにくいです。ひび割れや凍害がないので、寒冷地でも安心して使えます。
■防水性能が高い
■耐久性が高い
■防火性に優れている
■デザインが少ない
■シーリング材のメンテナンスが必要
■塩害に弱い(潮風を受けやすい地域では不向き)
■断熱材によっては、雨音などが気になる
断熱性能が高いことから、夏は涼しく冬は暖かいため快適に過ごせます。防火性に優れているため安全性が高く、施工が比較的簡単で工期が短く済む点が特徴です。
モルタル

モルタルは、砂やセメント、水を混ぜて作る外壁材です。日本では、1980年代まで主流の外壁でした。現在は窯業サイディングが主流で、新築にモルタルが使われる割合は約7%(※1)です。壁のつなぎ目がないので、シーリングが不要な点が特徴です。
※1 (引用:日本サッシ協会2023年3月版『住宅用建材使用状況調査』)
■壁につなぎ目が無い(シーリングが不要)
■防火性に優れる
■耐久性に優れる
■汚れが付きやすい
■防水性は塗料次第
下地が痛んでいなければ、モルタルの上に金属系サイディングなどを重ね張りできます。張り替えよりも費用を抑えられ、防水性も上がるのでおすすめです。
タイル

タイルは美しさと耐久性を兼ね備えた外壁材として、人気があります。タイルはサイディングなどの外壁材と比べ、耐久性が高い点が特徴です。汚れや傷にも強く、長期間にわたり美しい状態を保てます。タイルのメリットとデメリットは以下のとおりです。
■高級感のある外観になる
■メンテナンス費用を抑えられる
■タイルが剥がれる可能性がある
タイルのメンテナンスは10年に一度の洗浄や、タイルの撥水処理が必要です。下地塗り替えをする必要が無いので、サイディングなどと比べてメンテナンス費用を抑えられます。タイルの間(目地)の劣化にも注意が必要です。
ALC(軽量気泡コンクリート)

ALC(軽量気泡コンクリート)は、発泡剤を混ぜて気泡を含ませた特別なコンクリートです。具体的なメリットとデメリットは以下のとおりです。
■サイディングの約6倍の断熱性
■水に浮くほどの軽量性
■耐水性が低い
■つなぎ目が多い
軽量であるため、建物の構造にかかる負担が少なく、地震でも割れにくい特徴があります。ALCは高価なので、初期コストが他の外壁材より高くなります。ALC自体は吸水するので、塗装のメンテナンスが必要です。
シーリング材のメンテナンスは欠かせません。ALCの耐久性は他の外壁材に比べ群を抜く高さなので、メンテナンスを行いながら長く住みたい方におすすめです。
外壁リフォームの費用

外壁リフォームの費用は、リフォームの種類や材料によって大きく異なります。以下の3つのポイントを押さえて、自分にあった方法を選びましょう。
- 外壁リフォームの費用相場
- 見積もりの取り方
- 費用を抑えるためのポイント
外壁リフォームの費用相場
外壁リフォームの費用相場は、リフォームの種類や使用する材料、施工面積によって以下のように大きく変わります。
リフォーム方法 | 費用(建物30坪の目安) |
シーリングの打ち直し | 45万円~(足場代含む) |
サイディングへの張り替え | 200万~(足場代含む) |
サイディングの塗り替え | 120万~(足場代含む) |
モルタル壁に金属サイディングの重ね張り | 180万~(足場代含む) |
費用に影響を与える要因は、使用する材料のグレードです。施工面積が広いほど、総費用も上がります。地域や業者によっても費用が異なるため、複数の業者から見積もりを取りましょう。
» リフォーム費用の相場一覧!費用を抑えるコツも解説
見積もりの取り方

見積もりは、複数の業者から取ることが重要です。相見積もりで費用やサービス内容を比較すれば、大きく費用を下げられる可能性があります。見積もりを取るときは、以下のポイントを押さえましょう。
- 希望のリフォームと同様の工事実績があるか
- リフォーム協会などの団体に加盟しているか
- 保証やアフターサービスが充実しているか
- 必要な資格を保有したスタッフが在籍しているか
- 要望に合わせた提案をしてくれるか
- 質問に丁寧に回答してくれるか
- 担当者との相性は合うか
- 口コミが良いか
見積もりの内訳を詳細に確認し、材料費や施工費、他の費用が明確に記載されているかチェックしましょう。現地調査を行うと、より正確な見積もりがもらえます。過去の顧客の評価は、業者の信頼性やサービスの質を判断するうえで役立ちます。
見積もり内容や価格を比較検討し、納得のいく業者を選びましょう。
≫ 【リフォーム会社はどう選ぶ?】種類や特徴、選び方のコツを徹底解説!
費用を抑えるためのポイント
費用を抑えるには、いくつかのポイントがあります。複数業者から見積もりを取り、コストパフォーマンスの良い業者を選ぶことが重要です。見積もりを見比べると、リフォームの相場感がわかります。高グレードのサイディング材を選び、長期的なランニングコストを減らす方法もあります。
一度に大規模な工事を行えば、全体のコストを抑えられます。外壁材の張り替えと同時に、断熱材の追加や建具(窓やドア)を取り換えると、工事費が下がる可能性があります。
遠方の業者を選ぶと、交通費が別途必要になる可能性があります。オフシーズンにリフォームを依頼すれば、費用を抑えられる場合もあります。費用だけでなく、担当者との相性も重要です。施工前に詳細なプランを確認し、追加費用を避けることが重要です。
外壁リフォームに利用できる補助金・助成金の種類

外壁リフォームにはさまざまな補助金・助成金が利用できます。代表的な補助金・助成金の種類は、以下のとおりです。
- 地方自治体の補助金制度
- 次世代省エネ建材の実証支援事業
- 長期優良住宅化リフォーム推進事業
- 断熱リフォーム支援事業
- 子育てエコホーム支援事業
補助金・助成金制度を活用すればリフォームの費用を抑えられ、さらにエコリフォームなど環境に優しい施策も推進できます。
» 補助金や助成金を活用してリフォームする方法とは?
地方自治体の補助金制度
費用の負担軽減が可能です。地方自治体の補助金制度は、主に以下の種類があります。
- 耐震補強工事に対する補助金
- 省エネリフォームに対する補助金
- バリアフリー改修に対する補助金
- 子育て世帯向けリフォーム補助金
- 高齢者向けリフォーム補助金
- 空き家再利用促進による補助金
- 移住・定住促進のためのリフォーム補助金
耐震補強工事を行う場合、地方自治体からの補助金を受けることで、工事費用の一部が補助されます。省エネリフォームやバリアフリー改修も補助金を利用できます。補助金の申請には一定の条件があるので、事前に確認しましょう。
次世代省エネ建材の実証支援事業

外張り断熱や内張り断熱、窓断熱のいずれかのリフォームを行うことで、補助金が貰える制度です。補助金額は以下のとおりです。
補助金額 | 補助金の上限額 | |
外張り断熱工事 | 補助対象経費の1/2 以内 | 300〜400万円/戸 |
内張り断熱工事 | 補助対象経費の1/2 以内 | 200万円/戸 |
窓断熱工事 | 補助対象経費の1/2 以内 | 150〜200万円/戸 |
補助金額は大きいですが、好きなタイミングで工事ができないなどのデメリットに注意が必要です。補助を受けるには、申請の公募期間に応募をして、審査に合格してから工事を行う必要があります。他の補助金と併用もできますが、工事請負契約が別である必要があります。
参考、引用:一般社団法人環境共創イニシアチブ(次世代省エネ建材の実証支援事業)
長期優良住宅化リフォーム推進事業
住宅の性能向上リフォーム工事費が補助対象の事業です。住宅の耐震性や構造の工事を行い、長期に住める住宅作りを目的とした事業です。事前に登録しているリフォーム会社しか申請できないので、事前にこちら(国立研究開発法人建築研究所)で確認しましょう。対象となるリフォーム工事は以下のとおりです。
- 住宅の劣化対策(柱や床などの腐朽、蟻害の抑制など)
- 耐震性を上げる工事
- 窓や壁、床、天井などの断熱工事
- 給排水管を点検・清掃・補修交換しやすくする工事
- バリアフリー化の工事
- 間取りの変更をしやすくする工事
補助を受けるには、上記①~③の工事が必須です。長期優良住宅の認定を受けるには、④~⑥の工事も必要です。補助金額は、長期優良住宅を認定した場合は160万円/戸、その他の場合は80万円/戸です。中古住宅を購入した場合や、子育て世代がリフォーム工事を行う場合は更に50万円が加算されます。
参考、引用:国立研究開発法人建築研究所(長期優良住宅化リフォーム推進事業)

条件として、工事前にインスペクションの実施が必要です。上手く活用すると、最大210万円の補助を受けられます。
断熱リフォーム支援事業

断熱リフォーム支援事業は、住宅の断熱性能を向上させるための補助金制度です。対象となる工事内容は、断熱材の施工や窓・ドアの断熱改修が挙げられます。断熱リフォーム支援事業には「トータル断熱」と「居間だけ断熱」の2種類があり、具体的には以下のとおりです。
- 居間だけ断熱
- 日常生活の中心であり、家族全員の在室時間が長い居間に、高性能建材(窓・玄関ドア)を用いる工事などに補助金がでます。
- トータル断熱
- 高性能建材(ガラス・窓・断熱材・玄関ドア)を用いた断熱改修工事などに補助金がでます。
居間だけ断熱とトータル断熱の同時利用はできません。どちらも補助金額は同じなので、リフォーム内容に合った方を選びましょう。補助金額は以下のとおりです。
補助対象製品 | 補助率 | 補助金の上限 |
高性能建材(ガラス・窓・断熱材・玄関ドア) | 補助対象経費の3分の1 | 戸建て住宅:120万円/戸 集合住宅:15万円/戸 |
蓄電システム | 〃 | 20万円 |
蓄熱設備 | 〃 | 20万円 |
熱交換型換気設備など | 〃 | 5万円 |
EV充電設備 | 〃 | 5万円 |
LED照明(共用部) | 〃 | 1か所あたり8,000円 |
断熱リフォーム支援事業は北海道の財団が執行していますが、対象は全国です。申請期間は制限があるため、早めの対応が求められます。
参考、引用:公益財団法人北海道環境財団(既存住宅の断熱リフォーム支援事業)
子育てエコホーム支援事業
住宅のリフォーム工事を担当する業者を対象とした補助金事業です。補助金の条件として、エコホーム支援事業に予め登録をしたリフォーム会社に工事をしてもらうこと、リフォームをする物件に住むことなどがあります。リフォーム工事の内容に応じて、以下の金額が支払われます。
子育て世帯・若者夫婦世帯 | その他の世代 | |
リフォーム工事を行った場合 | 上限30万円/戸 | 上限20万円/戸 |
長期優良リフォーム工事を行った場合 | 上限45万円/戸 | 上限30万円/戸 |
中古物件を購入してリフォームを行った場合 | 上限60万円/戸 | ー |
子育て世帯とは、18歳以下の子どもが居る世帯のことです。若者夫婦世帯とは、39歳以下の夫婦の事を指します。補助金対象のリフォーム工事は以下のとおりです。
- 開口部の断熱改修(窓やドア)
- 外壁、屋根・天井又は床の断熱改修
- エコ住宅設備の設置(太陽光、トイレ、お風呂など)
- 子育て対応改修
- 防災性向上改修
- バリアフリー改修
- 空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置
- リフォーム瑕疵保険等への加入
①~③のリフォーム工事をしなければ、④~⑧のリフォームは補助金の対象にならない点に注意が必要です。開口部の断熱改修に含まれる工事には、内窓の設置や複層ガラスへの交換、ドアの交換などが含まれます。断熱効果が高くなり、補助金の対象となりやすいのでおすすめです。
参考、引用:国土交通省(子育てエコホーム支援事業)

エコホーム支援事業に登録しているリフォーム会社選びが重要です。
外壁リフォーム業者の選び方

外壁リフォーム業者を選ぶときは、以下の2つのポイントが重要です。
- 信頼できる業者の見分け方
- 一括見積もりサイトの活用方法
複数の業者から見積もりをもらって比較して総合的に判断し、信頼できる業者を選びましょう。
信頼できる業者の見分け方
信頼できる業者を選ぶには、以下のポイントが重要です。
- 希望のリフォームと同様の工事実績があるか
- リフォーム協会などの団体に加盟しているか
- 保証やアフターサービスが充実しているか
- 必要な資格を保有したスタッフが在籍しているか
- 要望に合わせた提案をしてくれるか
- 質問に丁寧に回答してくれるか
- 担当者との相性は合うか
- 口コミが良いか
現地調査や見積もりを丁寧に行うかどうかを確認しましょう。丁寧な対応をしてくれる業者は信頼できます。保証やアフターフォローがしっかりしている業者を選ぶことも重要です。長期的なサポート体制が整っている業者は信頼できます。
質問や相談に丁寧かつ迅速に対応し、契約書や見積書が明確な業者を選ぶことが大切です。ポイントを押さえて、信頼できる業者を見つけましょう。担当者との相性も重要です。
» リフォーム会社の選び方|種類と特徴を把握して比較検討しよう!
一括見積もりサイトの活用方法
一括見積もりサイトを利用すれば、最適な外壁リフォーム業者を見つけられます。複数の業者から見積もりを取ると、各業者の価格やサービス内容を比較できます。リフォームの具体的な要望や条件を明確にしてから、利用することが重要です。
信頼性のある業者を選ぶには、過去の施工事例や評判を参考にしましょう。一括見積もりサイトのキャンペーンや割引情報を活用すれば、費用を抑えられます。一括見積もりサイトを上手に活用して、満足のいく外壁リフォームを行いましょう。
まとめ

外壁リフォームを検討するときは、リフォームの種類や外壁材の特徴、費用相場と見積もり方法への理解が重要です。補助金や助成金を活用すれば、費用負担を軽減できます。信頼できるリフォーム業者を選ぶには、一括見積もりサイトを活用し、複数の業者からの提案を比較することがおすすめです。
ポイントを押さえて、満足のいく外壁リフォームを実現しましょう。