リフォーム一体型住宅ローンのデメリットとは?必要書類や手続きの流れを解説

リフォームのローンに困っている人には、リフォーム一体型住宅ローンがおすすめです。この記事では、リフォーム一体型住宅ローンのメリットやデメリット、利用の流れ、審査のポイントについて詳しく解説します。記事を読めば、リフォーム一体型住宅ローンの利用方法や注意点を把握し、賢くリフォームローンを組めます。
リフォーム一体型住宅ローンとは、リフォーム費用と住宅ローンを一緒に借りる方法です。リフォーム一体型住宅ローンをうまく活用すれば、安い金利でリフォームできます。

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リフォーム一体型住宅ローンのメリット

リフォーム一体型住宅ローンのメリットは多いです。以下のメリットについて説明します。
- 金利が低い
- 長期の返済期間が利用可能になる
- 住宅ローン控除の対象になる
- 一本化で管理が楽になる
金利が低い
低金利が適用されるリフォーム一体型住宅ローンであれば、毎月の返済負担を軽減できます。総返済額も抑えられるため、経済的なメリットが大きいです。銀行や金融機関によっては、特別な金利優遇があります。金利の違いによる、毎月の返済額は以下のとおりです。
- 2500万円を金利2%、返済35年:月々の支払額8.3万円
- 2500万円を金利0.7%、返済35年:月々の支払額6.7万円

さまざまなローンの中でも、住宅ローンは最も金利が低いです。リフォームローンの金利の相場は2~5%程度ですが、住宅ローンは変動であれば0.7%程度です。
長期の返済期間が利用可能になる
リフォーム一体型住宅ローンは一般的な住宅ローンと同じく、返済期間が長期です。月々の返済額を抑えて、家計への負担を軽減できます。返済期間は最長で35年に設定できるため、短期のリフォームローンと比べて毎月の支払いは少ないです。家計の負担を減らし、生活費や貯蓄に余裕を持たせましょう。
リフォーム一体型住宅ローンは、将来の収入や支出を見据えて柔軟な返済計画を立てられます。長期間の返済であれば、固定金利または変動金利を選べます。

我が家は中古住宅とリフォームを、住宅ローンで組みました。金利が低いので月々の返済額は約6万円でボーナス払いは無しです。貯蓄に余裕を持たせて、好きな旅行に出かけています。
住宅ローン控除の対象になる

住宅ローンは控除の対象ですが、物件によって条件が異なります。リフォームされた物件の住宅ローンの控除の条件は以下のとおりです。
- 自らが居住するための住宅
- リフォーム工事をしてから、6か月以内に入居
- 返済期間が10年以上
- 合計所得金額が2,000万円以内
- 床面積が50㎡以上
- 床面積の2分の1以上が居住用
- 昭和57年1月1日以降に建築されたもの
一本化で管理が楽になる
複数のローンを一本化すれば、月々の返済が1つにまとまって管理が楽になります。支払いの遅延やミスを防ぎ、返済計画も立てやすくなります。利息の計算も1つのローンにまとめられるため、複数のローンの金利や条件を比較する手間が省けます。家計管理がスムーズになり、安心して返済に集中できます。
リフォーム一体型住宅ローンのデメリット

リフォーム一体型住宅ローンには、以下のデメリットがあります。
- 抵当権の設定が必要になる
- 審査が厳しい
- 工事計画書や見積書が必要になる
- 利用できる金融機関が限られる
デメリットを十分に理解し、自分の状況に合った選択をしてください。
抵当権の設定が必要になる
リフォーム一体型住宅ローンを利用する際、抵当権の設定が必要です。抵当権とは、金融機関が融資の担保として不動産に設定する権利です。返済が滞った場合に、金融機関から担保物件を差し押さえられます。住宅ローンが完済されるまで抵当権は抹消されず、不動産の売買や譲渡は制限されます。

抵当権は、リフォーム一体型住宅ローンだけでなく住宅ローンには必ず設定されます。無理の無い返済計画が重要です。
審査が厳しい
リフォーム一体型住宅ローンは、通常の住宅ローンに比べて審査基準が厳しいです。融資を受ける人の収入や、信用情報を詳細に確認する必要があるためです。以下のポイントを確認されます。
- 収入額
- 他のローンの状況
- 担保物件の評価
工事計画書や見積書が必要になる

リフォーム一体型住宅ローンを利用する際の審査には、工事計画書や見積書が必要です。工事の具体的な内容や費用を明確にしましょう。工事計画書にはリフォームの範囲や工期、使用する材料などを記載します。銀行や金融機関に工事内容を正確に伝えましょう。
見積書には工事費用の明細や総額を記載します。材料費や人件費、その他の諸費用も具体的に示し、透明性を高めましょう。工事計画書と見積書は、リフォーム一体型住宅ローンの審査をスムーズに進めるために必要です。
利用できる金融機関が限られる
リフォーム一体型住宅ローンは、利用できる金融機関が限られます。基本的には地方銀行や信用金庫が主な候補です。金融機関ごとに条件やサービスは異なるため、事前に候補になる金融機関を確認しましょう。

ネット銀行の金利は低いですが、知識の無い人にはおすすめできません。ネット銀行以外であれば、ローンの手続きは銀行が行ってくれますが、ネット銀行は自分で行う必要があります。手続きに不備があれば損害賠償もあり得るので、知識の無い人は避けた方が賢明です。
リフォーム一体型住宅ローンを利用するときの流れ

リフォーム一体型住宅ローンは、リフォーム費用の見積もりまでの流れが重要です。見積もり金額が決まっていないまま話を進めると、予算を大幅にオーバーする可能性があります。リフォーム一体型住宅ローンを利用する流れは以下のとおりです。
- 資金計画の立案
- 物件の選定
- リフォーム内容の確定
- 金融機関の選定と事前審査
- 本審査の申し込み
- 契約の締結と融資実行
- リフォーム工事
資金計画の立案
資金計画の立案は、リフォーム一体型住宅ローンを利用するうえで重要なステップです。リフォームの総予算を決めて、自己資金と借入金の割合を検討しましょう。月々の返済額をシミュレーションして、無理のない返済計画を立てることが重要です。
年収別に見た、借入金額の上限とおすすめする金額は以下のとおりです。
年収 | 上限借入額 (金利1%、35年ローン) | おすすめ返済額 |
250万円 | 1,470万円 | 1,470万円 |
400万円 | 3,540万円 | 2,360万円 |
500万円 | 5,160万円 | 2,950万円 |
600万円 | 7,080万円 | 3,540万円 |
月の返済額からみる、返済に無理のない年収は以下のとおりです。
月の返済額(ボーナス無し) | 金利1%での借入額 | 安心できる年収 (返済比率20%) | 少し苦しい年収 (返済比率25%) |
月々7万円 | 2,480万円 | 420万円 | 336万円 |
月々8万円 | 2,830万円 | 480万円 | 384万円 |
月々9万円 | 3,180万円 | 540万円 | 432万円 |
月々10万円 | 3,540万円 | 600万円 | 480万円 |
月々11万円 | 3,890万円 | 660万円 | 528万円 |
年収に対して、住宅ローンは20%に留めるのがおすすめです。良い家に住みたいのか、良い暮らしをしたいのか、どちらなのかをハッキリ分けて考えましょう。高くて良い家に住んでも、毎月の支払いが厳しければ良い暮らしとは言えません。

銀行員や不動産屋に騙されないように注意が必要です。借りられる金額=返せる金額ではありません。我が家の返済比率は20%以下です。お小遣いは毎月4万円で、ボーナスは趣味と貯蓄で使っているので満足しています。
諸経費や消費税も計算する
住宅の購入には、物件価格だけでなく、リフォーム費用や諸経費も必要です。諸経費の一例は以下のとおりです。
項目 | 借入3,500万円の場合 | 借入2,000万円の場合 |
印紙代 | 10,000円 | 10,000円 |
不動産仲介手数料 (価格×3%+6万円) | 1,320,000円 | 792,000円 |
固定資産税 (初年度のみ) | 80,000円 | 50,000円 |
登記費用 | 350,000円 | 250,000円 |
住宅ローン事務手数料 (金融機関によって違う) | 80,000円 | 80,000円 |
住宅ローン保証料 | 770,000円 | 440,000円 |
金消契約印紙代 | 20,000円 | 20,000円 |
火災保険 | 400,000円 | 300,000円 |
合計 | 3,030,000円 | 1,942,000円 |
諸経費は、物件金額の8~10%を見ておくと安心です。中古物件は住宅価格には消費税はかかりませんが、新築物件だと住宅価格に消費税がかかります。物件価格が3,000万円の新築物件では、消費税だけで300万円必要です。中古住宅の諸経費は高く見えますが、実際には安いのです。
ただし、中古物件で消費税がかからない条件は、売主が個人の場合に限ります。売主が不動産屋の場合や、リフォーム済みの物件などは建物価格に消費税がかかります。

我が家は中古物件+リフォームで1,650万円、諸費用は+150万円ほどでした。新築物件は、住宅価格に消費税が入っている場合が多いので注意が必要です。固定資産税も中古物件と新築物件では大きく違います。総コストで安いのは中古物件です。
金融機関の選定と事前審査

物件を探す前に、リフォーム一体型住宅ローンを提供している金融機関をリサーチしましょう。ローンの総額に大きく影響する金利と手数料の比較が大切です。複数の金融機関を比較しましょう。
自分に合った金融機関が見つかれば、住宅購入の予算額で事前審査を行います。事前審査の有無は、不動産屋が買い手の本気度を最初に確認してくる点です。事前審査を行っていなければ、本気で付き合ってくれないこともあります。

事前審査には担当が付いてくれます。事前審査を行ってから日にちが経った場合でも、担当の方に確認をとれば問題ない場合が多いです。安心して事前審査を行いましょう。
物件の選定(耐震性能)

物件の選定において、立地は唯一変えられない要素です。無理なく返済できる範囲で、日々の生活が快適に送れる物件を選びましょう。物件は写真や情報だけではわからないことも多いので、実際に現地を訪れて、自分の目で確認することが大切です。
古いや汚いはリフォームで解決できますが、耐震性には注意が必要です。2000年6月以降に建てられた家は、強化された耐震基準で建てられており、2025年現在と同じ基準なので安心です。1981~2000年の物件も耐震基準は各補助金などの条件を満たしているので安心できます。

我が家は中古住宅を決める際に、事前に近隣の家に伺って立地や環境について聞き込みをしました。お隣さんになるかもしれない人について知れますし、自治会のことも聞けるのでおすすめです。中古住宅+リフォームは、さまざまなリスクを回避できます。
物件の選定(建築基準)
中古物件の情報に、既存不適格建築物や再建築不可、要セットバック」の文字があれば、建て替えや増築ができない可能性があります。具体的には以下のとおりです。
- 既存不適格建築物
- 容積率・建ぺい率や接している道路に問題があります。現在の法律に適合していません。建て替えの際は小さい建物にする必要があります。
- 再建築不可
- 敷地が2m以上の道路に接していないなどの理由で、建築確認を受けられません。住宅ローンが通りにくく、建て替えや増築ができません。
- 要セットバック
- 幅4mより狭い道路に接している場合は注意が必要です。道路の中心から2mの線まで敷地を削らなければ立て替えができません。
同様の物件とくらべ割安な場合が多いので注意しましょう。
物件の選定(地盤)
基礎のコンクリート部分に幅0.3mm以上のひび割れや、深さ4mm以上の欠損がある場合は要注意です。地盤が沈下し、建物が傾いている可能性があります。中古物件は築年数が経っているので、現地見学ですぐにわかります。基礎工事には布基礎とベタ基礎があります。強度が高いのは、基礎をすべてコンクリートで打っているベタ基礎です。

傾斜地に家がある場合は、切り土か盛り土かを調べましょう。元の地形を削っている切り土だち地盤は安定しています。元の地形に土を盛っている盛り土の場合は、1年以上しっかり固めていないと、地盤が安定していない可能性があります。
リフォーム内容の確定
リフォーム内容を確定させるには、以下のステップが必要です。
- リフォームが必要な箇所をリストアップする
- 家族全員の意見を合わせる
- 目的を明確にする
- 予算を設定する
リフォーム業者と現地確認を行えば、見落としがちなポイントの確認や、最適な材料と設備の選定が可能です。詳細な見積もりを作成しましょう。相見積もりの場合は、内覧時に時間をズラして業者に来てもらうと手間が少ないのでおすすめです。事前に不動産屋に相見積もりを伝え、調整しましょう。

中古物件の重要なリフォームは雨漏れ対策とシロアリです。屋根や外壁、バルコニーの劣化具合を調べます。すでに雨漏りの跡がある場合は、リフォーム費用が高額になる可能性があるので注意しましょう。
本審査の申し込み
本審査の申し込みは、事前審査を行っていればほとんどの場合スムーズに通ります。申込者の信用力や物件の価値が総合的に評価され、本審査の結果が通知されます。審査結果は時間がかかりますが、落ち着いて待ちましょう。
契約の締結と融資の実行

契約書には、融資条件や返済計画などが記載されています。固定金利か変動金利かの選択を迫られます。これまではゼロ金利政策により、変動金利のほうがメリットは大きかったです。しかし、2024年10月に変動金利は0.25%程度高くなりました。
今後も日米間の金利差が縮まるまでは、変動金利は上がると予想されています。借入額と返済期間、毎月の返済額を照らし合わせて変動か固定かを決めましょう。我が家は借入額が少ないので変動金利を選びました。
リフォーム工事
リフォーム工事の流れは以下のとおりです。
- 工事内容の詳細な打ち合わせ
- スケジュールの確定
- 工事契約の締結
- 工事開始〜完了(適宜、工事進捗を確認)
- 最終検査と引渡し
適宜工事進捗を確認し、希望や事前の打ち合わせと異なる点が無いかを確認しましょう。打ち合わせの内容は文章や図面で残しておくとトラブルが少ないです。
リフォーム一体型住宅ローンの審査ポイント

リフォーム一体型住宅ローンの審査ポイントは公表されていませんが、気を付けるべきポイントはあります。ポイントは以下のとおりです。
- 収入や信用情報
- 物件評価と担保価値
- その他の審査項目
収入や信用情報
審査は、収入が安定していれば返済能力が高いと判断されます。収入が不安定な場合は、収入が多くても審査に通りにくいです。リフォーム一体型住宅ローンは、収入額にもとづいて借入限度額が決まります。
クレジットカードや他のローンの返済状況、過去の借入履歴などの信用情報機関のデータが参照されます。過去に滞納や延滞があると審査に不利です。現在の雇用状況や勤続年数も考慮されます。勤続年数が長いほど評価は高まります。
他のローンが多いと返済能力が低いとみなされますが、減らせば審査に通りやすくなるので覚えておきましょう。
物件評価と担保価値
住宅ローンには担保が必要です。リフォームをする物件の物件評価も審査のポイントです。物件の所在地や周辺環境は、物件の価値を大きく左右します。利便性の高い場所にある物件は、流動性が高く、将来的な売却も簡単です。
法的規制や権利関係も無視できません。建築基準法や、都市計画法などの法的制限がある物件は、ローンが通りにくい場合があります。
リフォームをする物件の物件評価が低くても、借入額が低い場合や安定した収入があると審査は通りやすいです。
審査項目の調査結果
国土交通省の「民間住宅ローンの実態に関する調査」によると、以下の項目について審査をが行われています。
- 完済時年齢
- 健康状態
- 借入時年齢
- 年収
- 勤続年数
- 返済負担率
- 担保評価
- 金融機関の営業エリア
- 連帯保証
- 国籍
- 雇用形態
まとめ

リフォーム一体型住宅ローンは、住宅購入とリフォーム費用を1つのローンでまかなえる便利な金融商品です。金利を低く抑えられ、長期の返済期間が利用できるだけでなく、住宅ローン控除の対象になるメリットがあります。
収入や信用情報、リフォーム内容、物件評価、担保価値などが審査されるポイントです。リフォーム一体型住宅ローンの利用は、事前に準備を整えることが重要です。