「リフォームの見積もりを依頼したいけれど、何から始めればいいかわからない」と感じている方は多いです。リフォームは金額も大きく、やり直しができないため、適切に見積もりを出すことが重要です。
この記事では、リフォーム見積もりを依頼するための準備や業者選び、見積もり書の読み方までを詳しく解説します。記事を読むと、リフォームの見積もりをスムーズに依頼し、納得のいく業者選びができます。適切な準備と見積もり依頼のポイントを押さえ、理想のリフォームを実現しましょう。
リフォーム見積もりを依頼する前の準備
リフォーム見積もりを依頼する前には、いくつかの重要な準備があります。具体的な準備は以下のとおりです。
- リフォームの目的と範囲を明確にする
- 希望するリフォーム内容と予算を決める
- 図面や現状の写真を用意する
リフォームの目的と範囲を明確にする
リフォームを計画する際、目的と範囲を明確にすることが大切です。リフォームの理由をはっきりさせて、方向性が定めましょう。家族構成の変化に伴うリビングの拡張や、老朽化によるキッチンの改修などが考えられます。リフォームを行う部屋や、範囲の特定が重要です。
解決したい問題や改善点をリストアップすると、リフォーム会社の担当者に要望を伝えやすくなります。リフォームの目的と範囲が不明確だと、予算をはるかに上回ったり、必要のない場所まで工事を行ったりする可能性があります。
リフォームの優先順位を決めるのも大切です。限られた予算内で最大限の効果を得るためには、何を最優先にするかを明確にする必要があります。
希望するリフォーム内容と予算を決める
希望するリフォーム内容と予算を決めるのは、リフォームを成功させるための重要なステップです。リフォームで使いたい材料や設備の種類を決めて、リフォームする箇所ごとのおおまかな見積もりをたてましょう。リフォーム費用の相場はこちらをご覧ください。
リフォームの優先順位を決め、全体の予算を設定します。必須費用と予備費用を分けて考えることで、予算内でリフォームを進めやすくなります。希望する完成時期を決め、金融機関からのローン利用を検討することもおすすめです。
中古住宅を購入する際にあらかじめリフォームの見積もりをとることで、リフォーム費用も住宅ローンに組み込めます。住宅ローンは低金利なので一緒に組み込むことをおすすめします。
リフォームのデザインや仕上がりのイメージが浮かばない方は、ピンタレストの使用がおすすめです。無料で簡単に、沢山のイメージ画像を見られます。
図面や現状の写真を用意する
リフォームの見積もりを正確に出してもらうためには、図面など住宅の資料の用意が重要です。業者が現状を正確に把握し提案できるからです。現状の間取り図やリフォーム対象箇所の詳細図を準備し、壁や床、天井の寸法を正確にしましょう。
間取りを変更する際は、図面があると柱の位置や、リフォーム後の広さが把握しやすいです。フローリングの張替えやクロスの張替えなどは、部屋の広さで費用が変わります。正確な図面があると正確な費用が出せます。
リフォーム会社から見積もりのための写真を求められたら、複数の角度から撮影し、問題箇所や希望変更箇所を撮影しましょう。写真に補足情報やメモを追加するとより効果的です。必要に応じて動画も撮影し、用意した資料はデジタルデータ化し、業者に提出するために整理しておきます。
見積もりの基本は現地調査です。図面や写真だけで見積もりを終わらせる業者を選んではいけません。写真や動画は補助的な手段に留めておきましょう。
リフォーム見積もりを依頼する業者の選び方
リフォーム業界は価格設定があいまいなので、悪徳業者が多い業界です。リフォームの見積もりを依頼する業者を選ぶ際は、以下のポイントを押さえることが重要です。
- 評判や口コミを調べる
- リフォーム業者の得意分野を確認する
- 最低でも3社に見積もりを依頼する
- 団体への加盟や資格などを確認する
評判や口コミを調べる
口コミや評判で、依頼する業者のサービス内容の確認は重要です。インターネットの口コミサイトやSNSで、実際にサービスを利用した人のレビューを確認しましょう。リフォーム会社の公式サイトで、「お客様の声」で確認することもできます。
公式サイトの情報だけでは、偏りがあるため注意が必要です。口コミサイトやSNSでも評判を確認しましょう。過去の施工実績をチェックすることで、業者の信頼性や技術力をより正確に把握できます。
地域密着型のリフォーム会社であれば、地域の評判や口コミを調べましょう。知人や友人からの紹介だと、実際のリアルな感想を聞けるのでおすすめです。
リフォーム業者の得意分野を確認する
リフォーム業者を選ぶ際には、依頼する業者がどのようなリフォームを得意としているかの確認が重要です。業者によって得意分野が異なるため、自分に合った業者を選ぶことが満足度の高いリフォームに欠かせません。
以下のように、各分野に特化した業者が存在します。
- バスルームリフォーム
- 外壁・屋根リフォーム
- 内装リフォーム(床や壁、天井)
- エクステリア(庭や駐車場)
- バリアフリーリフォーム
- 断熱・省エネリフォーム
- 水回りリフォーム(トイレや洗面所)
- オフィスや店舗のリフォーム
- 中古住宅のリフォーム
自分の希望するリフォームの実績を確認したい場合は、リフォーム会社のサイト内にある工事実績を確認しましょう。過去の工事実績で、リフォーム会社が、自分の希望するリフォーム内容を取り扱っているかを調べられます。工事実績は、直接会社に問い合わせることも手段の一つです。
最低でも3社に見積もりを依頼する
リフォームを成功させるためには、最低でも3社に見積もりを依頼しましょう。複数の見積もりを比較することで相場が把握でき、不当な費用を支払うリスクを減らせます見積もりで、各社の提案内容やサービスの違いも確認できるので、最終的に信頼できる業者を選べます。
ある業者が他社よりも低価格で同じ品質のサービスを提供している場合は、交渉材料に使えます。担当者との相性など、価格以外の要素も重要です。工事完了までの期間も業者により違うので、忘れずに確認しましょう。
複数の会社に見積もりを依頼して比較することで、適正な価格で、信頼できる業者を選べます。
団体への加盟や資格などを確認する
以下の点に留意することで、より信頼のできる業者を見つけられます。
- リフォーム協会などの団体に加盟しているか
- 保障やアフターサービスが充実しているか
- 必要な資格を保有したスタッフが在籍しているか
- 要望に合わせた提案をしてくれるか
- 質問に丁寧に回答してくれるか
- 担当者との相性は合うか
建築業許可の資格があるリフォーム会社だと、信頼と実績があるうえに、請負金額500万円以上の工事を行えます。資格を確認したうえで、リフォームの見積もりを依頼しましょう。リフォーム会社は大きく分けて6種類あるので、自分に合った会社を選びましょう。以下のページで詳しく解説しています。
» 【リフォーム会社はどう選ぶ?】種類や特徴、選び方のコツを徹底解説!
リフォーム見積もりを依頼するときのポイント
リフォーム見積もりを依頼する際の、重要なポイントは以下のとおりです。
- 見積もり時に確認するべき項目
- 見積もりを依頼するときのマナー
- 要望や予算を明確に伝える方法
見積もり時に確認するべき項目
悪徳なリフォーム業者に騙されず、リフォーム後のトラブルを回避するには、見積もり書の段階で注意が必要です。一番大きく書いてある概算金額に目が行きがちですが、見積書は以下の項目に注意しましょう。
- 使用する材料と材料の仕様
- スケジュールと工期
- 総費用と費用の内訳
- 支払条件と支払方法
- 保証内容と保証期間
- 工事中の対応(騒音、ゴミ処理など)
- アフターサービスの有無
- 契約書や約款の確認
- 追加費用が発生する場合の条件
追加工事の有無についての確認が重要です。リフォーム工事では追加工事の発生は仕方がないこともありますが、際限なく追加工事をしてもらう訳にはいきません。記載がない場合は、追加工事が発生した場合についての確認が必要です。以下のような記載があるか確認しましょう。
追加工事についての取り決めが重要です。「10万円を超える場合は連絡をする」など、契約書に書いてもらうことで、後のトラブルを未然に防げます。
見積もりを依頼するときのマナー
見積もりを依頼するときのマナーは大事です。リフォーム業者に対して敬意を持ち、具体的にリフォーム内容を伝えることで誤解を防ぎ、正確な見積もりができます。
希望する工事の範囲や期間を明確に伝えましょう。リフォームする箇所や程度を具体的に伝えることで、業者も適切な対応ができます。予算や支払方法について事前に伝えておくと、お互いの条件が合うかどうかを早い段階で確認できるためスムーズです。
返答期限を設けることも有効ですが、無理な要求は避けましょう。要望の変更があった場合は早めに連絡し、見積もり書類を受け取ったら、必ず確認の連絡をすると信頼関係を築けます。現場確認から見積書ができるまで、2~3週間は必要です。
相見積もりをする場合は、事前に相見積もりであることを伝えると問題ありません。
要望や予算を明確に伝える方法
要望や予算を明確に伝えるためには、あらかじめリフォームの希望内容を箇条書きにしておきましょう。キッチンのリフォームを希望する場合、以下のようにリストアップします。
- シンクの交換
- 収納スペースの増設
- ガスコンロからIHクッキングヒーターへの変更
- 総予算は100万円以内
リストアップにより、業者の作業がスムーズになります。予算をはっきりさせることで、業者は予算範囲内で最適な提案をしてくれる可能性があります。リフォーム箇所が複数ある場合は、詳細な予算配分を伝えることで、業者は無理のない範囲でプランを作成できます。
優先順位をはっきりさせることも大切です。リフォームには予算や時間の制約が多いので、何を最も重視するかを明示しましょう。「収納スペースの増設が最優先」や「予算が厳しいので材料の選定は後で考える」などが挙げられます。優先順位の明確により、業者も効率的に作業を進められます。
リフォーム見積書の読み方
リフォーム見積書を読むには、基本構成の理解が重要です。見積書を正しく理解することで、適正な価格かどうかや、必要な工事が含まれているかを確認できます。
見積書の基本構成
見積書の基本構成から、リフォーム業者の丁寧さが読み取れます。見積書に以下の基本的な要素が含まれているか確認しましょう。
- 表題
- 発行日
- 依頼者情報
- 発行者情報
- 見積もり内容の詳細
- 品名や数量、単価、金額の一覧
- 合計金額(税別・税込)
- 支払条件
- 有効期限
- 注意事項や特記事項
上記の要素が記載されていると、見積書の内容に対する信頼性が高まります。
材料費や施工費、諸費用の内訳確認
見積もりの構成が適当だと、工事も適当である可能性があります。分かりやすくて丁寧な見積もりは「概要」と「内訳」で構成されています。材料費や施工費は「内訳」欄で確認しましょう。具体的には以下のとおりです。
これは和室のリフォームの見積もり例です。内訳が細かく書いてあるので分かりやすく、相見積もり時には比較の対象にできます。全部の概要と内訳に目を通し、リフォーム内容に抜けが無いかを確認しましょう。
事前に確認しておくと安心できる項目
見積もり書には金額以外の情報も多く含まれています。以下の項目を確認しておくと、より安心して業者を選べます。
- リフォーム代金の支払い方法
- 代金の支払い方法は業者によってさまざまです。少額であれば一括、100万円を超える場合は分割払いが多いです。500万円を超える大規模リフォーム時など、ローンを組む際は支払いのタイミングをあらかじめ把握しておきましょう。
- 工事期間
- 中古住宅を購入しリフォームをする際は、工事期間の確認が重要です。工事期間が長引くほど、アパートの家賃と住宅ローンの支払いが重なる期間が長くなります。
- 会社に関する情報
- 資格の有無を確認します。建築業許可を取得しているかどうかが重要です。500万円以下の工事では建築業許可の資格は不要ですが、できる限り取得している業者を選ぶ方が安心できます。
- 現場管理費用
- リフォーム工事が予定通り行われているか、設計通りに工事ができているかを確認する現場監督の人件費を指します。
- 諸経費
- 交通費や書類作成などに掛かる費用のことです。諸経費の相場は総額の5~10%程度なので、あまりに高い場合は注意が必要です。
- 工事の補償
- 工事中に起こった損害を補償する建築保険や、リフォーム業者が倒産した際に費用を請求できる瑕疵保険などを確認します。瑕疵保険はリフォーム後に発見された欠陥についても補償を受けられます。
見積もり書に記載されていない内容で気になる点は、遠慮なくリフォーム業者に聞くことが大事です。
見積書から優良業者を見極めるポイント
見積書から優良業者を見極めるには、いくつかの重要なポイントがあります。具体的には以下のとおりです。
- 内容が明確で細かく記載されているか
- 工事内容と金額のバランスが適切か
- 追加費用の発生条件が明確か
- 使用する材料のブランドや種類が記載されているか
- 工期が記載されているか
- 補償内容やアフターサービスの有無
- 業者の資格の有無
使用する材料の詳細が不明確だと、質の低い材料が使われる可能性があります。工期や作業日程が、示されているかも確認しましょう。工期が記載されていない場合は、工事が長引く可能性があります。業者の資格やライセンスの確認も大切です。
リフォーム見積もり取得後の業者選び
リフォーム見積もり取得後の業者選びでは、見積もり内容だけでなく、複数の重要なポイントを確認してください。
見積もり以外の確認ポイント
業者が適切な資格や許可を持っているかの確認が大切です。リフォームを行うには、建築士や管工事施工管理技士、電気工事などさまざまな資格が必要です。資格の有無は担当者に聞くか、ホームページや名刺で確認しましょう。
契約書の内容をしっかりと確認し、不明点があれば質問をします。保証内容について詳しく確認しておくと、万が一の場合にも安心です。アフターサービスの有無も忘れてはいけません。施工スケジュールについても確認し、自分の希望と一致しているかどうかを確認しましょう。
支払条件を明確にしておくことで、予算オーバーや支払いトラブルを防げます。過去の施工実績をチェックすると、業者の技術力や経験を把握できます。上記のポイントを確認すると、より安心してリフォームを進められます。
顧客の疑問に対して、担当者の対応が良いかどうかも、業者選びの重要な基準です。リフォームは金額が大きいので、遠慮なく聞きましょう。
契約を急がせようとする業者に注意する
契約を急がしてくる業者には注意が必要です。契約を急がしてくる手口として、限定性や緊急性、安心感、共感を利用してくる担当者がいます。以下のような担当者の言葉には注意が必要です。
- 今すぐ対応しないと大変なことになる
- 今契約しないと特別価格が適用されない
- 価格が上がるのですぐに契約しないと損です
- 上司から特別に許可をもらった金額です
- 他の商品と比べて、一番お得です
- 保証が付いているので大丈夫です
業種は違いますが、私は商品を売る立場にいたので、上記の言葉が顧客の背中を押すものだと理解しています。しかし、顧客の利益を第一で考えるならば、判断を急がせてはいけないと考えています。契約からリフォーム完了まで担当者とのやりとりが続くので、誠実な方と一緒にリフォームしましょう。
契約前に確認するべきポイント
契約後の施主都合による解約には、工事代金の10%程度の違約金が発生します。トラブルを未然に防ぐために、契約前に確認するべきポイントは、以下のとおりです。
- 工期
- 見積書や図面
- 支払条件と支払い期限
- 保証内容と保証期間
- 使用する材料や設備の詳細
- 追加費用の条件
- 契約金額以外に想定される費用
- 工事中のトラブル対応方法
- 担当者の連絡先と相談体制
- 工事完了後のメンテナンス対応
- 工事前の近隣住民へのあいさつ
- 契約書の詳細内容と不明点
見積書や図面で希望するリフォームがちゃんと盛り込まれているかを確認します。間取り変更の場合は図面を、材料などは見積書で確認します。見積書では分かりにくい場合は、より詳しい仕様書を用意してもらってから契約しましょう。
契約時に仕様が決まっていない物には追加費用がかかる場合があります。追加費用として見落としがちなのは、カーテンレールやエアコン、照明などの取り付け費用などです。
リフォーム見積もりに関するよくある質問
リフォーム見積もりに関するよくある質問を解説します。
- リフォーム見積もりは無料?
- 見積もりだけ取って断ってもいい?
リフォーム見積もりは無料?
多くのリフォーム業者は無料で見積もりをしてくれるので、費用を心配せずに依頼が可能です。無料見積もりには初回相談や現地調査が含まれますが、一部の業者は有料で見積もりをします。有料の場合は、詳細な設計図やプラン、提案が含まれる場合が多いです。
見積もりが無料か有料かは、業者のポリシーやリフォームの規模によって異なります。事前に見積費用の有無を確認しましょう。無料見積もりでも、業者の質や対応を評価する良いチャンスです。しっかりと比較検討してください。
見積もりだけ取って断ってもいい?
見積もりを取るだけでも問題ありません。見積もりは業者が提供するサービスの一部であり、契約する義務はないからです。見積もりの内容を比較して、検討することは重要です。複数の業者から見積もりを取得することで、コストやサービス内容の比較が可能で、自分に合った業者を選びやすくなります。
見積もりを依頼すること自体が、業者選びのための情報収集の一環として役立ちます。業者に対して、誠実な対応を心がけることは重要です。見積もり後に契約をしない場合は、迅速に契約しない旨を伝えましょう。誠実な対応により、業者との信頼関係を損なわずに済みます。
まとめ
リフォーム見積もりを依頼する際には、事前の準備や業者選びが重要です。目的や範囲を明確にし、希望するリフォーム内容と予算を決めておくことで、スムーズな見積もり依頼ができます。評判や口コミを調べ、複数の業者に見積もりを依頼することも大切です。
見積書の内容を正確に理解し、優良業者を見極めるためのポイントを押さえることで、納得のいくリフォームが実現できます。